社内メディエーター養成講座 第3回を開催しました ―「話を聞く」と「言葉をそのまま受け取る」は違う―

2026年6月17日、ONtheUMEDA会議室にて、社内メディエーター養成講座 第3回を開催しました。

目次

今回のテーマ

「対立を『人』ではなく『構造』として見ること」。

職場で起きる対立は、「あの人が悪い」「この人が問題だ」と個人に原因を求めがちです。

しかし、その背景には、評価制度や権限、人員配置、情報格差、組織文化など、一人では変えられない「構造」が存在していることも少なくありません。

講座では、対立を

🔸表面(言葉・態度)
🔸中間(認知・解釈・期待・ニーズ)
🔸深層(評価構造・権限・組織文化)

という三層で整理し、「見えている出来事」の奥にある構造を見立てる視点を学びました。

印象的だった受講生の変化

今回は二つのロールプレイを実施しました。

営業課の係長、人事採用担当者という、実際の職場でも起こり得るケースを題材に、「事実・感情・解釈・ニーズ」を整理しながら対話を進める演習です。

受講生からは、

「相手の話す言葉そのものを受け取ることの危うさに気付きました。」

「話していることのほとんどが、その人自身の『解釈』であり、事実そのものではないことに驚きました。」

という声が寄せられました。

これまで「話を聞く」と思っていたことが、実は「相手の解釈をそのまま受け取ること」になっていた。

そのことに、多くの受講生が気づき始めていました。

ロールプレイで起きたこと

一方で、講義では「安易な介入は構造を固定する危険がある」ことを繰り返し扱いました。

その結果、ロールプレイでは、今度は受講者が

「何もできない」

という状態になりました。

相談者の話は聞ける。

しかし、介入してはいけないと思うほど、何をすればよいのか分からなくなる。

これは決して後退ではありません。

これまで当たり前だと思っていた「助ける」「解決する」という支援観が揺らぎ始めた証でもあります。

講師として感じたこと

対立を構造として見ることは、「誰が悪いか」を考えなくなることではありません。

目の前の言葉だけで判断せず、

「何が起きているのか」

を丁寧に見立て続ける姿勢を持つことです。

そして、その見立ても決して正解ではなく、常に仮説として更新し続ける。

それが社内メディエーターに求められる姿勢だと改めて感じました。

次回について

第4回では、今回受講者が感じた

「何もできない」

という状態を出発点に、

「整理すること自体が支援になる」

という社内メディエーターの本質を、実践を通して体験していきます。

本講座は、解決方法を学ぶ講座ではありません。

対話を通して、人と組織の可能性を支える人を育てる講座です。

目次